阪神のキャンプ中。見慣れないようでありながら、どこかで見た記憶がある光景があった。一部の投手が、サポーター状のものを利き腕にぐるりと巻いてから投球練習に臨んでいた。 「パルススロー」という機器だ。大谷翔平がエンゼルス時代に使用したことで一気に球界に広まり、阪神も昨季からチームとして正式に取り入れた。 装着して腕を振れば、肘にかかるストレスなどが数値化される。腕のアングル(角度)も分かるため、フォームの再現性、無理なく腕を振れる角度の確認にも有効とされる。 もちろん、複雑で繊細な動きをともなう投手の肩、肘へのストレスがすべて反映されるわけではない。本人の感覚とデータを擦り合わせながらの運用が重要になる。まだ試行段階ではあるが、標準のケアアイテムになっていきそうだ。 阪神ではルーキー5投手がブルペン入りのたびに装着を義務づけられていた。唯一、1軍にいたドラフト2位の椎葉剛投手(21=四国IL・