自民党総裁室の椅子に座る岸田文雄新総裁=2021年9月29日午後、東京・永田町の同党本部(写真=時事通信フォト) 自民党総裁選は9月29日に投開票が行われ、岸田文雄前政調会長が河野太郎行革担当相との決選投票を制して新総裁に選ばれた。岸田氏は第100代首相となる。国民や党員を対象とする調査では河野氏が圧倒的な人気を誇ってきたが、自民党は国会議員中心の決選では、それとは違う結論を選んだ。なぜそうなったのか――。 【この記事の画像を見る】 ■河野氏があえて「国民の審判」と語った理由 29日午前。決戦の日を迎えた各候補の発言や表情からも、結果はある程度予測できた。 午前11時過ぎ、東京赤坂の議員宿舎でマスコミの取材を受けた岸田氏は「勝利を確信している」とゆっくり語った。ダークスーツに青のネクタイ。8月の出馬表明の時と同じ服装を選んだのは、総裁選の運動が順調に完了した満足感があったからだ。 一方、河