イスラエルとハマスの衝突の根幹にあるパレスチナ問題。これは「イスラム教徒とユダヤ教徒の宗教対立」ではありません。中東情勢の複雑な過去、背景をわかりやすく解説する話題の書籍『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』より、一部を抜粋してお届けします。 パレスチナ問題の発端は、パレスチナに既に生活していた「パレスチナ人」とヨーロッパから移住した「ユダヤ人」との紛争パレスチナという土地はあるが、パレスチナという国はない。そこにあるのは、イスラエルという国とガザ地区と、ヨルダン川西岸地区である。なぜ地名はあるのに、その地名の国がないのか、本章ではそのいきさつを語ろう。 「2000年にわたるイスラム教徒とユダヤ教徒の宗教対立」、そうした言葉で語られることの多いパレスチナ問題。しかし、この説明は間違いである。なぜならば、イスラム教が成立したのは600年代である。つまり、7世紀であり、その歴史