「ロシアは民間人を攻撃していない」。中国国営メディア記者の知人が言うのを聞き、やるせなさを感じた。ロシアがウクライナへ侵攻し、既に多くの市民の犠牲が世界へ伝えられていた時期だ。外界からの情報は遮断され、政府はロシアの宣伝戦に同調し、反戦デモも不可能な中国。在留ウクライナ人はどう感じているのだろう。探ってみると、「プロパガンダの壁」(香港紙)に挑む人々に出会った。(共同通信=鮎川佳苗) 中国、ロシア寄りの学習会開催 ロシアを非難しない中国の外交方針に批判が噴出しないよう、思想統一を急いでいるもよう 3月 ▽監視リスト 中国企業で働く30代のウクライナ人男性は4月、上司に「当局の『監視リスト』にあなたが入っていると聞いた」と言われ、驚いた。上司は、知人の国家安全省関係者から聞かされたという。男性は侵攻に関するニュースを中国語に訳し、交流サイト(SNS)で発信する活動をしている。 中国政府はロシ