厚生労働省が9月8日、7月の「毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所)」を発表した。それによると、物価変動を加味した「実質賃金」が前年同月比2.5%減。16カ月連続のマイナスになり、そのうえ減少幅が前月より拡大しているという。 「実は、実際にもらった賃金にあたる1人あたりの『名目賃金』は約38万円で、19カ月連続のプラスなんです。この数字だけ見ると『経済は右肩上がりか』と思ってしまいますが、モノやサービスの価格(消費者物価指数)の値上がりが給与の上昇を上回っているので、『給与が増えても生活は苦しくなる』という状態がずっと続いているのです」(経済担当記者) 16カ月も「生活苦」が続けば、これはもはや政府の失政と言ってもいい。 経済評論家の荻原博子氏も、こう話す。 「岸田政権が、給料が上がる政策をやっていないんです。人手不足もあり若年層は給料が上がっていますが、50代以降は役職定年な