鹿児島市出身の税理士中島祥貴さん(50)=東京=は、制度を難解にする一因に所得税法との違いを挙げる。所得税法上では扶養親族とみなされない16歳未満も定額減税では対象。年末調整で記載しない人もいるため、把握する確認作業も生じる。 制度開始後も減税額が6月分の所得税を上回り、全額差し引くことができなければ翌月以降に繰り越さないといけない。年度途中で扶養人数が変わる場合は年末調整で対応するなど、作業は煩雑で「手間が増えるだけの制度」と手厳しい。 ◆ ◆ ◆ 「従業員が多く、扶養家族が働いていたり、年金受給者だったりといろいろなパターンがある」と漏らすのは、南国殖産(鹿児島市)人事教育課の鮎川綾乃主任(30)。同社の従業員1834人のうち、扶養家族持ちは635人。5月中旬に社内通知し、16歳未満の扶養家族の有無や配偶者の年収などを調べた。 制度では6月1日の情報が必要なため早めの聴取もできず、5月