ふるさと納税で財源の流出に悩まされてきた政令市や特別区が、寄付獲得に力を入れ始めた。税収の減少と獲得した寄付の差で生じる「赤字」は4年間で1・8倍に拡大。地方との格差是正という制度の趣旨を踏まえ、返礼品競争から距離を置いてきた都市部が、耐えかねて反転攻勢をかけ始めている。(猪原章) 【表】首都圏や関西の自治体のふるさと納税の取り組み
ふるさと納税で昨年度、自治体が寄付を受けた分から、税収が減った分や経費を差し引いたところ、全国の4分の1の自治体が赤字だったことが、総務省の公開データから分かった。人気の返礼品を扱う自治体に寄付が集中し、地方や町村でも赤字が相次いでいる。ただ、減収の大部分は交付税で穴埋めされており、事実上、仲介サイトへの手数料や高所得者優遇に税金が投入されている状態だ。 【画像】ふるさと納税、ついに東京から参戦続々 本気の返礼品、その中身は ふるさと納税は2008年度、地方の産業を活性化させ、都市部との税収格差を縮める目的で始まった。寄付額のうち2千円を超える分が住民税や所得税から控除される仕組み。高価な返礼品が実質2千円で受けられるとあって、寄付総額は昨年度、過去最高の8302億円と当初の100倍以上に膨らんだ。 しかし、総務省が7月に公表した自治体ごとのデータを朝日新聞が分析したところ、都市部だけでな
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