● 裏金問題のルーツとなった 小沢政治改革のまやかし 大騒動になっている政治資金の裏金問題。その発端は、小沢一郎主導により小選挙区制と政党交付金を柱として1993年に行われた「政治改革」が遠因でした。 「中選挙区制は自民党同士で戦うのでカネがかかる上に、政策論争ができない」「政権交代が可能になる」「汚職議員や疑惑の議員を落選させやすい」といった仮説をもとに、議員がカネ集めばかりしないよう政党交付金を税金で賄い、政治家は政治活動と政策の勉強に集中しようというのが、その理由でした。 反対した議員やメディアには「守旧派」のレッテルが貼られ、「改革」のスローガンのもと、小沢一郎を中心に自民党は分裂。しかし、結果はどうなったのでしょうか。 自民党が分裂し、日本新党を中心に政権交替が行われた後に小選挙区制選挙を取材したジャーナリストの二木啓孝(ふたつき・ひろたか)氏は、『月刊文春』1996年11月号に