大雨の影響で土石流が発生した現場=2021年7月3日午後5時19分、静岡県熱海市、朝日新聞社ヘリから、池田良撮影 静岡県熱海市で7月に起きた土石流被害につながった盛り土について、県と市が2011年、安全対策を講じるよう命じる「措置命令」を出すと決めた後に見送っていたことが朝日新聞が入手した内部文書などでわかった。業者側が防災工事を始めたことを理由に見送られたが、工事中断後も約10年間にわたって命令は出されないままだった。命令の対象となる業者への連絡が困難となっていたという。 【画像】最上流に大量盛り土なぜ 「強度十分」施工時から市認識 大規模土石流の起点となった盛り土は災害前、市に提出した計画と比べて、約2倍の量の約7万4千立方メートル、約3倍の高さの約50メートルになっていたとみられる。この盛り土を含む土砂が今年7月3日に大雨で崩れ、26人が亡くなり、1人が行方不明となっている。建物被害