フィリピンのドゥテルテ前大統領(手前)と中国の習近平国家主席=フィリピンの首都マニラで2018年11月20日、AP フィリピンで、前政権が南シナ海の領有権問題で中国に譲歩する「密約」を結んでいた疑いが明らかになり、国民の間で反発が広がっている。「現状維持」が目的だったとされ、政府は前政権幹部に説明を求める方針だ。 【フィリピンの補給船に放水する中国海警局の船舶】 約束はドゥテルテ前大統領が在任中(2016~22年)、中国の習近平国家主席と口頭で交わしたとされる。ドゥテルテ氏の報道官だったロケ氏が3月末、地元メディアのインタビューで暴露した。 それによると、フィリピンは軍事拠点としているアユンギン礁(英語名セカンドトーマス礁)などで、建造物の修繕や新設を行わない見返りとして、中国が食糧補給を容認する内容だった。同時にフィリピンは中国に対し、中国が軍事拠点化したミスチーフ礁に構造物を設置しない