プロ野球選手を志す高校球児たちのアピール場となる夏の甲子園がいよいよ大詰めを迎える。 これまではプロのスカウトたちに良いプレーを見せようと懸命になる選手が大勢みられたが、「プロに行けるうちに行っとけ」と考える指導者や選手、その保護者は近年、減少傾向にあるようだ。 決勝進出を決めた仙台育英(宮城)のバッテリーや、徳島商(徳島)、北海(北海道)、沖縄尚学のエースらも大学進学や社会人への道を選ぶという。 考え方が変わったのは高校野球関係者だけではない。あるベテランスカウトのひとりは、「大卒が当たり前になっているし、日本の景気も悪い。高校生を指名するのがおっかなくなりました」と言い、こう続ける。 ただでさえ凶作なのに…甲子園出場の有望球児がことごとく大学進学か就職を選ぶ複雑事情 「若い頃は、『もしかしたら化けるかも……』というような確実性のない選手でも、球団にダメ元で猛プッシュしていました。ドラフ