「自民党最後のドン」二階が自ら身を引くことを決断した。土の匂いのする政治家がまた一人去る。一方、厄介者を退場させたと官邸で小躍りする岸田。しかし、彼は重大な変化に気づいていない。 【一覧】「次の首相になってほしい政治家」岸田は15位…上位に入った「意外な議員」 50年の長きにわたり政界に身を置き、「永田町の妖怪」と恐れられた男の最期は一見、あっけなく見えた。しかし、わずか10分の会見の中に込められた真意に気づいた者は一体どれだけいるだろうか―。 3月25日午前10時半、自民党本部4階にある会見場で元幹事長・二階俊博の不出馬会見が開かれた。次の衆院選には出ず、事実上の引退を決めた二階。うつむき加減でボソボソと原稿を読み上げる声はいつになく小さい。ところが中盤、突然背筋を伸ばしたかと思うとカッと目を見開いて、次のように語った。 「初めて国政に立候補したころ、名も無い私に、初めて会った人が朝ご飯