混雑した通勤時間帯の電車と街並み——かつての人通りが戻りつつあるように見える都内のオフィス街だが、その傍ら空き店舗になった飲食店を見かけることも増えてきた。外出自粛や在宅勤務を中心としたテレワークの流れ、会食を控える動きなどが続き、そのあおりを受けて廃業を余儀なくされるところも少なくない。 こうした厳しい飲食業界にあって、10月30日に東京証券取引所マザーズに上場を果たしたのが、口コミグルメサイトを運営するRettyだ。創業からちょうど10年という節目。しかしながら、危機的な状況まっただ中での上場を、同社は大きな飛躍のきっかけにすることができるのか。Retty 代表取締役の武田和也氏に上場前後の心境と今後の戦略を聞いた。 コロナで「上場どころじゃないかも」--4月を底に伸張へ ――何年も前から計画していたこととは思いますが、飲食業界が厳しい中での上場となりました。そもそも上場を目指した理由