新聞漢字あれこれ131 「凜」と「凛」 その違いは… 著者:小林 肇(日本経済新聞社 用語幹事) 「凜」と「凛」の使い分けについて… 記事を読む
中国で使われる漢字の多くは一つの漢字に対して読み方が一つしかないのをご存知ですか? 次に来る漢字によってアクセントが変わることはあっても音は同じだったり、読み方がいくつかある漢字も音が似ていたりするそうです。 中国の人が日本語を勉強するときは、使われている漢字からなんとなく意味は読み取れるものの、どう発音するかを覚えるので苦戦するとか。 今日はそんな漢字の読み方――とりわけ音読みに関するお話しです。 漢字の読み方 私たちが小学校から習ってきた漢字は、その多くが音読みと訓読みを持っています。 訓読みは中国から伝わった漢字の意味を日本語に翻訳したところから生まれた読みで、送り仮名が振られたり、聞いただけで意味が分かるものが多いです。 一方、音読みはその漢字が伝わったころの中国語の発音を元にした読みで、聞いただけでは意味が分かりません。大抵、他の漢字と組み合わせ熟語にすることで私たちは意味を知る
「辻」は常用漢字ではない表外字 お手元のスマートフォンなどで「つじ」と打って変換してみてください。ほとんどの場合、2点のと表示されるはずです。しかし、学校で習った文字、例えば「近」は1点しんにょうが表示されます。どういうことでしょうか。 わたしたちが学校教育で学ぶ漢字は「常用漢字表」にもとづいています。1981年に制定された常用漢字表の字は1点のしんにょうに統一されていますが、質問の「つじ」は常用漢字表に入らなかった表外字です。「常用漢字表」の答申では、表外字の字体について「当面、特定の方向を示さず、各分野における慎重な検討にまつこととした」と言います。要するに、しばらく様子見というところでしょうか。 かつてJIS字体は「1点」だった その後、ワープロなどの情報機器の急速な普及により、かつての想像以上に表外字が使われるようになりました。情報機器に表示される文字はJISで字体が示されたもので
漢字は、言うまでもなく、中国の文字、言い換えれば、外国の文字である。現代ならば、ローマ字に相当する。本来の日本語の文字ではないので、日本語の表現には、必ずしもふさわしくない場合も起きる。それを克服して、漢字を日本語の文字として最大限に使いこなしてきた。しかし、問題もある。その一つが、漢字には音および訓が存在することであろう。 ギョウ 行政、行書(呉音) コウ 銀行、行程(漢音) アン 行脚(アンギャ)、行灯(アンドン) このアンは唐音。 音は、中国語としての発音を、日本語化したものである。さまざまな中国語音を日本語化すると、同音異義の語が増える。同じ事が、韓国語にも見られる。本来ある中国語のアクセントが、日本語化するために識別が困難になるのである。たとえば、キコウと発音する語が、『岩波国語辞典 第七版新版』に20語余もあげられている。おまけに、たとえば、「寄港」「寄航」、「帰港」「帰航
1 隋の煬帝は、漢音の「ようてい」ではなく、呉音で「ようだい」と読むのが通常である*1。その理由について、煬帝は悪帝であるため、「皇帝でありながら、その資格はないという意味」(陳舜臣*2)をこめたなどと説明されることがある*3。他方、これは特に理由のない読み癖にすぎず、「悪いやつだから帝(たい)だというわけでもない」(高島俊男*4)と明示的に「悪帝」説を否定する指摘もある*5。 後説が妥当と思うが、悪帝を理由とする見解も、少なくとも江戸時代に遡るため、直ちに切り捨てることはできず、その関係を検討しきれていない。しかし、本年3月、「悪帝」説を前提に、これを正面から論じた松下憲一「隋の煬帝はなぜヨウダイと読むのか」(史朋50巻37頁)という論文(以下「松下論文」という。)が発表されたので、ここで若干の整理をしたい。 2 我が国の漢字音は、古くは呉音が用いられた。しかし、奈良後期から、遣唐使や留
漢字は難しい。 これは皆さん共通の見解ではないでしょうか。たとえ小中学校で習う漢字でも、案外正しく書けなかったりするものです。 例えば「博」と「専」。これらはともに小学校で習いますが、間違いが多い漢字です。非常に似た形をしていますが、「博」の右上には点がありますが、「専」の右上には点はありません。 近所で見かけた書き間違い。「専」に点は不要です では、どうしてこのようなややこしい事態が起きてしまったのでしょうか? もともとは違う形だった 「博」と「専」。今でこそ非常に似た形をしていますが、実はもともと違う形をしていました。それぞれの旧字体はこのようなものです。 左:「博」の旧字体、右:「専」の旧字体 旧字体の「博」の右上の部分は「甫」になっています。「補」や「捕」の右側と同じ形ですね。この「甫」、単独の漢字としても存在していて「ホ」と読みます。「補」も「捕」も「ホ」と読みますよね。これは「
一、二、三、…………四。なんでだよ。 「四」という字の形、冷静に見返してみると不思議です。横棒1本で一。2本で二、3本で三。ここまではいいのに、なぜかいきなりの「四」。 ということで、今回は漢数字「四」の謎について調べてみました。 そもそも「一二三」が分かりやすいのだ まずは一、二、三についての成り立ちを漢字辞典で調べてみましょう。すると、「横線の数で数字を表した漢字である」ということが分かります。そりゃあそうだ。 このように、概念を図形的に説明した漢字の作り方を「指事」といいます。 例えば、「↑」を表す漢字は、まず基準線となる横棒を書き、「それより高い」ことを示すために、線の上に書き足して「上」。「↓」は逆の手順で「下」。 このような指事の考え方のもと、「数字の1という概念」は「横線1本」で表せる、ということで漢字の「一」が生まれました(最初に漢字を作った人がそこまで細かく考えたのかは分
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く