「学級王国」が、じつは学級崩壊やいじめの一因…? ひとりの教師がクラスを一致団結にまとめて、率いる。そんな日本の学校によくみられる「学級王国」の風景こそが、じつは学級崩壊やいじめの一因になっているーー。 そんな意外な現実を指摘するのが、学校教育の旗振り役・工藤勇一校長(現・横浜創英中高校長)だ。いったい、どういうことなのか。 教育哲学者・苫野一徳さんと教育の未来を語り合った書籍『子どもたちに民主主義を教えよう』(あさま社)から一部抜粋する。 工藤 日本の教員って学級王国を築きたがる人がとにかく多いですね。一番優先すべきは自分の学級で、次に自分の学年、最後が学校全体。この順番で考える教員の多いこと、多いこと。ひと昔前に教員たちの間で「我々意識」という教育用語が流行りましたけど、自分の学級の子どもたちの中に「我々意識」ができあがっていくことが理想だと勘違いしている教員って山ほどいます。 でも実