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歴史と本に関するirbsのブックマーク (55)

  • 新書の役割――「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たち(田野 大輔)

    DIG 現代新書クラシックス(7)群像×現代新書のコラボ企画「DIG 現代新書クラシックス」の第7弾(『群像』7月号掲載)は、甲南大学教授の田野大輔氏による、石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(2015年刊)の紹介です。 「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たちの心理とは? 不正確で一面的な情報に惑わされないために、入門書が果たす役割を示します。 ナチスは良いこともした? ナチスが「絶対悪」であり、未曾有の災禍の元凶であることは、今日では常識となっている。だがインターネット上ではむしろ、「ナチスは良いこともした」と声高に主張したがる人が増えている。 アメリカトランプ現象やヨーロッパの排外主義運動といった近年の国際情勢を反映してか、わが国でもナチズムへの社会的関心は高まっているが、一般に出回っている情報には著しく不正確なもの、とうに否定された俗説も少なくない。 実は先日、筆者にそのこ

    新書の役割――「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たち(田野 大輔)
  • 『田中正造の生涯』林 竹二 著

    田中正造の評伝。 田中正造は、幕末に栃木県の小中村(現 栃木県佐野市)の百姓の家に生まれる。百姓といっても名主を務めるような家で、父の跡を継いで名主になり、正造はこの小さな村の名主を12年務めた。 彼は小中村の「政治」に責任を負って、藩レベルの政治とは異質のまとめ役をこなした。それは、自治的な慣行や寄合における合意を尊重する、ボトムアップ式のものだった。彼は名主ではあったが身分意識は薄く、村人の代表として領主との対立を辞さず、領内7ヶ村の農民の抵抗運動を組織して、暗君(失政の領主)を退陣させる実績を残した。そのために正造は投獄されたが、これが、権力に決して屈しない、正造の戦いの始まりだった。 正造は、明治11年に政治に一身を捧げようと決心する。きっかけは、土地の投機に成功して3千円という大金を手に入れたことだった。この金は正造に「公共のために尽くす自由」を与えた。正造は、なんと35年間の予

    『田中正造の生涯』林 竹二 著
  • 日本型住宅システムと日本型雇用システムのシンクローー平山洋介『マイホームの彼方に』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    平山洋介さんの『マイホームの彼方に─住宅政策の戦後史をどう読むか』(筑摩書房)をお送りいただきました。ありがとうございます。 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480879097/ 戦後日において、マイホームの購入を前提とする社会がどのように現れ、拡大し、どう変化したのか? 住宅政策の軌跡を辿り、住まいの未来を展望する。 平山さんのをお送りいただくのは実に11年ぶりです。以前のは、『住宅政策のどこが問題か』(光文社新書)で、ワーキング・プアと並んでハウジング・プアという言葉が交わされていたころで、それまで労働社会問題の視野から抜け落ちがちだった住宅問題がクローズアップされてきた頃でした。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-3fdd.html 今回のは300ペ

    日本型住宅システムと日本型雇用システムのシンクローー平山洋介『マイホームの彼方に』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    中世・近世を中心に日において人身売買がいかにして無くならず生き残り続けたか、を通史として浮き彫りにした文字通り「身売り」の日史の概説。 古代から中世にかけて、人はものとして売り買いの対象だった。鎌倉・室町時代を通して時の政権も例えば無理やり誘拐や騙して売り飛ばしたりといったものは不正とされたが人身売買そのものは禁止されなかったし、戦国時代は文字通り「人取り」という奴隷売買が国内のみならず海外向けにも行われていた。江戸幕府になっても禁止されたのは人商い業と人をかどわかして売る行為であって人身売買そのものは禁止されなかった。ただ、譜代下人から年季奉公へと雇用形態が変化したことによって人身売買の対象は大きく縮小したが、男性の人身売買はほぼ無くなったものの、いわゆる遊女・売女など苦界に沈めるという行為を通しての女性の人身売買は残り続けることになった。 何故江戸時代に女性の身売りは無くならなか

    「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • 呉座勇一『陰謀の日本中世史』が学会の大物から在野の研究者まで撫で斬りにしている件 - 明晰夢工房

    陰謀の日中世史 (角川新書) 作者: 呉座勇一 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/03/09 メディア: 新書 この商品を含むブログ (12件) を見る これは凄い。 880円の新書でありながら保元・平治の乱から関ヶ原の戦いに至るまでの中世史の概要を学べる。 しかも通説や俗説をきちんとした学問的証拠をあげて次々と論破し、読者に陰謀論とは異なる、最新の歴史的知見を与えてくれる。 そして最終章ではなぜ歴史の世界にも陰謀論がはびこるのか、明快に説明してくれる。 これほどコストパフォーマンスの高い一冊はなかなかありません。 スポンサーリンク 『応仁の乱─戦国時代を生んだ大乱』が思いがけずベストセラーとなった著者の呉座勇一氏が、今回は日中世史をテーマに、鋭い学問の刃で俗説や通説に切り込みます。 冒頭の保元・平治の乱などはややマイナーですが、頼朝と義経の確執の真因や足利尊氏

    呉座勇一『陰謀の日本中世史』が学会の大物から在野の研究者まで撫で斬りにしている件 - 明晰夢工房
  • 英語のスペリングはなぜこんなにも予測不可能なのか──『スペリングの英語史』 - 基本読書

    スペリングの英語史 作者: サイモン・ホロビン,堀田隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/09/21メディア: 単行この商品を含むブログを見る日語でさえ単純な誤字、勘違いからくる漢字、送り仮名ミスが多発するというのに英語のスペルなんかろくに綴れもしない僕がいうのもなんだが、英語のスペリングはなかなか難しい、というより間違えやすい。color/colour,center/centreなどのようにアメリカ英語とイギリス英語が異なるということもあるし、複数形、単数形などやたらとややこしい。potato(ポテト)の複数形はpotatosではなくpotatoesだ。 別にesがつこうがsがつこうがどっちだっていいじゃねえか、と中学生ぐらいの時に思ったものだったが、これがどっちでもよくないのである。たとえば第44代アメリカ合衆国副大統領ダン・クエールはpotatoesの単数形を「po

    英語のスペリングはなぜこんなにも予測不可能なのか──『スペリングの英語史』 - 基本読書
  • 東アジアの王権と思想ー幕府とか藩とか、江戸中期まではなかった言葉

    平素は株式会社ライブドアのサービスを ご利用いただきありがとうございます。 提言型ニュースサイト「BLOGOS」は、 2022年5月31日をもちまして、 サービスの提供を終了いたしました。 一部のオリジナル記事につきましては、 livedoorニュース内の 「BLOGOSの記事一覧」からご覧いただけます。 長らくご利用いただき、ありがとうございました。 サービス終了に関するお問い合わせは、 下記までお願いいたします。 お問い合わせ ※カテゴリは、「その他のお問い合わせ」を選択して下さい。

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  • 20世紀最大の発明はどう考えても「コンテナ」だったという話 | 超音速備忘録

    未組立プラモ写真家。稀に組む。山登る。からぱたへのお問い合わせ、文章・写真・DJ・飲酒のオファーはTwitter @kalapattar からどうぞ

    20世紀最大の発明はどう考えても「コンテナ」だったという話 | 超音速備忘録
  • 糸満盛信『唐手術の研究』『拳武雑考』について

    豚(サンドスター非所持) @shikishimatask ここで糸満盛信について改めて少し解説すると、1934年に『唐手術の研究』、1944年に『拳武雑考』という二冊のを出している。『唐手術の研究』については英訳されているらしいが『拳武雑考』はおそらく未訳である。 2016-02-02 12:49:23 豚(サンドスター非所持) @shikishimatask 糸満盛信は非常に幅広い分野のを出しており、1944年に『酒の話』という題で酒に関する著書、1965年に『天孫降臨私解』というタイトルで論文を書いている。人が空手をやっていたのかは不明だが、『唐手術の研究』にはヌンファー、コカンなど、現在は聞かない型のリストが掲載されている。 2016-02-02 12:52:32

    糸満盛信『唐手術の研究』『拳武雑考』について
  • 「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    ヨーロッパの中世を「暗黒時代」、すなわち「暴力と狂信と無知と停滞の時代」とする見方はすでに否定されている。確かに絶え間なく続く戦争と、キリスト教的世界観の浸透と、ローマ教会の支配が築かれ、ギリシア・ローマ時代の知識が少なからず一時的ながら失われた時代ではあったけれども、後に近代を切り開く土台となる様々な技術のささやかながら着実な革新が繰り返された、ゆっくりと着実な進歩の時代であった。その中世ヨーロッパのテクノロジーとイノベーションはどのようなものであったのか、緩やかな技術革命の千年を振り返る一冊である。 別に中世ヨーロッパが栄光の時代であったとか、産業革命に比肩する技術進歩の時代だったなどと言う訳ではなく、ただただ、後進地であったヨーロッパで中世の千年間で起きていた地道な技術的革新の歩みを描いているに過ぎないが、そこにドラマがあり、面白さがある。ジャレッド・ダイアモンドとかウィリアム・H・

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  • 「居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化」飯野 亮一 著

    幕末に日を訪れた外国人が驚いたことの一つに、日人がひどく酒癖が悪いというものがある。例えばヘボン式ローマ字で知られるヘボン(日在住1859~92)は昼間っから酒を飲んで酔いつぶれ、あるいは大暴れしている人びとの多さに驚き、また酔って仕事もままならなくなる日人家事使用人たちに悩まされている。せめて仕事中ぐらいは酒を飲まない労働者を雇えないかと日人商人に尋ねるが、そんな日人を見つけるのは難しいと言われて途方に暮れていた。他の外国人もすっかり出来上がった武士の姿に恐怖を感じている。昼間っから刀持った酔っぱらいが歩いているんだからそりゃ怖い。ヘボンに遡ること三百年、ルイス・フロイスも戦国時代の日人の酒癖の悪さを書き留めていて、もちろん欧米でも酔っぱらいは多かったものの、西洋人からは日人の酔い方は度を越して酷いと見られていた。 武士も町人も昼間っから酒を飲んで仕事もそこそこに、そこら

    「居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化」飯野 亮一 著
  • 「江戸日本の転換点」書評 列島改造!! 成長の限界に直面|好書好日

    江戸日の転換点 水田の激増は何をもたらしたか (NHKブックス) 著者:武井 弘一 出版社:NHK出版 ジャンル:新書・選書・ブックレット 【河合隼雄学芸賞(第4回)】新田開発は、江戸の社会を豊かにする一方で、農業に深刻な矛盾を生み出した。田んぼの四季と百姓の生活を史料から忠実に再現し、社会の深層で進んだ不可… 江戸日の転換点―水田の激増は何をもたらしたか [著] 武井弘一 明治以後、江戸時代の社会は、概して否定的に見られてきた。それが参照すべきものとして見られるようになったのは、むしろ近年である。それは、戦後日で、「日列島改造」と呼ばれた経済の高度成長があったあと、成長の停滞とともに、環境問題など、さまざまな矛盾が露呈してきたことと関連している。そのため、江戸時代に、低成長で持続可能な経済のモデルが見いだされるようになった。 書が覆すのは、江戸時代にそのように静的な社会があった

    「江戸日本の転換点」書評 列島改造!! 成長の限界に直面|好書好日
  • 「砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)」川北 稔 著

    1996年の発売以来売れ続けている世界史入門定番の一冊。砂糖の広がりを通じて様々な地域がつながりあい、ダイナミックに変化していくさまが平易なことばとわかりやすい解説で描かれており、世界史の面白さがこれ以上ないほどに詰まっているので、まぁ、読んでいる人の方が圧倒的に多いでしょうが、あらためて紹介しておこうという記事。 書とあわせて記事下に列挙した書籍を参考にしつつ、大まかな砂糖を巡る歴史を概観しておこう。 歴史上、砂糖は西漸しつつ世界に広がった。砂糖の原料であるサトウキビはムスリム商人によってイスラーム世界の拡大とともに西へ西へと伝播し、十字軍によって地中海世界へ、スペイン・ポルトガルによって大西洋諸島さらに新大陸南米へ、イギリスによってカリブ海諸島へと広がりを見せる。この拡大の過程で砂糖は「世界商品」として人びとの生活に欠かせないものとなっていく。 サトウキビ栽培と製糖の特徴として、第一

    「砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)」川北 稔 著
  • 「フランス的思考―野生の思考者たちの系譜」石井 洋二郎 著

    近代フランスを特徴づける、デカルト以来の合理主義、フランス語の優位性への確信から広がった普遍主義という二大潮流に対する反合理主義・反普遍主義あるいは非合理主義・非普遍主義的な思想の系譜を、マルキ・ド・サド、シャルル・フーリエ、アルチュール・ランボー、アンドレ・ブルトン、ジョルジェ・バタイユ、ロラン・バルトの六人を通して描くことで、「フランス的思考」の姿に迫る一冊。 著者は「フランス的思考」という書名について、フランス語にすれば”pensée Française”(フランス思想)となるが、敢えて「的」「思考」とすることで『すでに確立された「フランス」の「思想」に関するなんらかの見取り図のようなものを答えとして提示する書物ではな』(P10)く『さまざまな留保つきではあれ「フランス的」という形容詞を冠することができるかもしれない「思考」のありようをめぐる問いかけの書物』(P10)として描く。反合

    「フランス的思考―野生の思考者たちの系譜」石井 洋二郎 著
  • 『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ

    テロ、紛争、無差別殺人。世界は悲劇的なニュースで溢れている。人類は自らの手でその未来を閉ざしてしまうのではないか、と不安になる。ところが、著者スティーブン・ピンカーは大胆にもこう主張する。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない にわかに信じがたいこの説を検証し、読者に確信させるためにピンカーは、人類の暴力の歴史を大量の統計データとともに振り返る。書が上下で1,300ページ超という並外れたボリュームで膨大な文献を引用しているのは、並外れた説の主張にはそれに見合った証拠を提出する必要があるからだ。しかし、ピンカーが「統計のない物語が盲目であるとするならば、物語のない統計は空疎である」と語るように、書はデータばかりが延々と続く退屈なものではない。持続的な暴力減少を示す圧倒的な事実の積み重ねとそのメカニズムに対す

    『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ
    irbs
    irbs 2015/02/12
    当書を読んだ訳ではないが、以前は暴力をスペクタクルに用いていた権力の性質(というか権力の存在の仕方自体)が変質したことと、ここで述べられている「暴力の減少」との関係はどうなっているのか気になるところ。
  • 箸食誕生の歴史

    箸の誕生箸は黄河流域で誕生した。現在見つかっている最古の箸は河南省安陽県の殷墟(紀元前十八世紀~紀元前十一世紀)から出土した銅製の箸だが、当時は手であったことは明らかであることから、事用ではなくべ物を取り分ける、あるいは祭祀用のものだと考えられている。 おそらく黄河流域では、『獣肉や野菜を包丁と俎でべやすい大きさに料理してべていた。べるときに、フォークや匙でなくて、手の感覚を延長して、汁の実などを挟みあげたくなったのであろう。熱いべ物を取り出すのに、指先に代わる竹ぎれか木ぎれを使ったのが、箸の始まりといわれる。一の棒ではべ物を固定できないので、二でそれをしっかり挟み上げるようにしたのである。』(向井、橋「箸 ものと人間の文化史102」) これが直接箸を使ってべ物を口に運ぶようにはならなかった。箸は、事を取り分けたり、調理する際に箸を使って固定したりする用途に使

  • 「琉球国の滅亡とハワイ移民 (歴史文化ライブラリー)」鳥越 皓之 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    1879年、およそ四百五十年に渡り続いた琉球王国は日に併合(「琉球処分」)され滅亡した。滅亡後の琉球=沖縄は明治政府の支配下で伝統的共同体の崩壊と社会基盤の弱体化を招き、移民が認められた1900年代以降、大量の海外移民が送り出されていった。1940年の統計では海外移民のうち沖縄出身者は五万七千人、数だけなら広島・熊に次ぐ三位だが、県の人口比では広島3.88%、熊4.78%に対し沖縄9.97%でとびぬけて多い。全国平均で100人に一人が移民となったが、沖縄は10人に一人の割合であり、1920年代以降沖縄県出身移民は全国の移民の約20%前後を占めた。その中でもハワイへの移民が非常に多い。 書は著者が1970~80年代に行った、まだ存命の頃のハワイ移民一世~二世への聞き取り調査の記録と、琉球王国の滅亡から二十世紀初頭までの移民を押し出す要因となった社会的背景について描いた一冊である。

    「琉球国の滅亡とハワイ移民 (歴史文化ライブラリー)」鳥越 皓之 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • 坂野潤治『〈階級〉の日本近代史』: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) コメント:結局「対決」にこだわりすぎなんだと思います。 相手が積極財政なら、とりあえずばら撒き批判していれ

    日は、大阪で労働政策フォーラムが開かれ、労使それぞれの弁護士の皆さんと一緒に、わたくしもパネリストとして、改正労働契約法について議論してきました。 帰りの電車の中で読んでいたのが、坂野潤治『〈階級〉の日近代史』です。 近代日史が専門の坂野さんは、とりわけ近年、現代政治の姿に大きな危機感を感じて、繰り返しメッセージ性の高い歴史書を送り続けていますが、書もその一冊です。 ブログでも結構繰り返し紹介してきていますので、わかっているよ、という方も多いでしょうが、やはり繰り返し語られるべきメッセージだと思います。 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?code=258589&_ga=1.50056038.1129985248.1416490298 武士の革命としての明治維新。農村地主の運動としての自由民権運動。男子普通選挙制を生んだ大正の都市中間層…

    坂野潤治『〈階級〉の日本近代史』: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) コメント:結局「対決」にこだわりすぎなんだと思います。 相手が積極財政なら、とりあえずばら撒き批判していれ
  • 「戦国自衛隊」半村 良 著

    映画はもう子供のころから何度となく観ていたけれど、原作小説は読んだことがなかったという作品の一つだったのだが、ついに読んだ。やはり日SF黎明期を代表する一作で、1971年の発表直後からベストセラーとなり、戦国時代へ自衛隊がタイムスリップして大活躍というプロットは多くのフォロワーを生んで、歴史改変SF、架空戦記小説ブームの火付け役となった。軽い気持ちで読み始めたのだけど、実は適切な軍事考証、歴史考証がなされ、かつ、きちんとエンターテイメントの王道行くので凄く面白いのだ。 魅力の一つには軍事考証へのこだわりがある。映画だとさくっと一小隊がタイムスリップするのだが、小説ではタイムスリップに至る米軍・自衛隊合同演習に向けた各方面軍の展開が描かれ、主人公たちの部隊がどのようにタイムスリップの現場へ終結していくかが描写されている。この辺、ミリタリーファンにはたまらないのではないだろうか。 最初の出だ

    「戦国自衛隊」半村 良 著
  • あとがき9 「つきあい」の可視化: 河野有理編『近代日本政治思想史』(ナカニシヤ出版、2014年) - あとがき愛読党ブログ

    瓦経というものをご存知だろうか。 粘土板にお経を刻んだものだ。 瓦経|奈良国立博物館 なぜか平安時代ごろから、この瓦経を大量に作って土に埋めることが流行りだした。 それが父母の供養や自分の極楽往生に効くと思われていたらしい。 瓦一枚につき200字も入らないので、長いお経を瓦という媒体に収録するためには、膨大な枚数の瓦を焼かなくてはならない。そのため、多くのカネと手間がかかる。それゆえ瓦経の埋納は、たくさんの出資者を集めて遂行される地域の一大プロジェクトだった。 その瓦経が土中から現代人によって掘り起こされる。新しく瓦経が発掘されたとき歴史学者がまず注目するのは、(中世人からすればはなはだ奇異だろうが)彼らが精魂込めて彫りこんだお経の文章自体ではない。瓦経のなかには、文(お経)といっしょに、それを埋めた年月日や出資者の名前が彫りこまれたものがある。歴史学者は文そっちのけでそれに熱中するの

    あとがき9 「つきあい」の可視化: 河野有理編『近代日本政治思想史』(ナカニシヤ出版、2014年) - あとがき愛読党ブログ