一言で言えば非常に「反時代的」な映画。基本的には、イーストウッドがここ最近好んで取り上げる、「無名の人の行った英雄的行為」を描いたもの。アトランタオリンピックの開催中に起きた爆弾テロ事件において、爆弾をいち早く発見し、被害の拡大を防いだリチャード・ジュエルが主人公です。 ただし、この話のポイントは、リチャード・ジュエルがヒーローから一夜にして容疑者扱いされるようになったことにあります。英雄になるために自ら爆弾を仕掛けてそれを発見するというのは過去に見られた手口でもあり、リチャードもそういった人物ではないかと疑われたのです。 しかも、それがFBIからマスコミにリークされたことから、リチャードはマスコミに追い回され、彼と母親は生き地獄を経験することになります。このリチャードを以前からの知り合いであった弁護士のワトソン・ブライアントが救うというのが映画の筋書きです。 このように書くと、いかにも映