戦争被爆都市・広島で開催された2023年のG7(主要先進7カ国)サミットは、ソ連崩壊以後ほぼ32年続いてきたサミットというグローバルな存在意義を失わせるような会議だったといえるだろう。 この先進国首脳会議は、これまで政治や経済において世界を主導してきた先進国が世界の発展と安寧を維持するために開催する会議であったはずだ。だからこそ、これまで世界の多くの国から期待され、注目されてきた会議だった。 もちろん1975年から1991年のソビエト崩壊に至るまでの16年は、冷戦対立における西側の極めて好戦的な組織であったことも確かだ。しかし、それ以後に始まるグローバル化の中で、世界の政治、世界の経済を指導する主要国の会議になっていたはずである。 しかし今のところ、世界経済や世界政治のバランス変化によって、G7はもはや世界のほんの一部の地域、それも経済的にも政治的にもアジアやアフリカの多くの国と利益が真っ