今年も、アダルトスケートの季節がやってきた。54歳を迎えた伊藤みどりさんは、ドイツ・オーベルストドルフで行われた国際アダルト競技会(5月12〜17日)に出場。マスターエリートのアーティスティック部門で連覇を達成した。美しいピアノ曲に溶け込むように、やわらかく、しなやかな滑りで会場を魅了した。 「見守って下さるアダルトスケーター達の笑顔が、私にパワーをくれて、自然に笑顔になりました。このアダルト競技会は、純粋にスケートを楽しむことを思い出させてくれる、大切な場所。今年も来て良かった!」 54歳のいま、みどりさんが伝えたスケートとは――。 「坂本龍一さんが命を削りながら演奏される音色が、胸に突き刺さりました」 昨年はコロナ禍をへて、同大会に4年ぶりに出場したみどりさん。その後、現役時代の足の古傷が痛み、半年以上滑れない日々が続いたが、3月末に出場を決意した。 「どうしてもこの曲で滑りたいな、と