任期付きポストでも、同じ組織で5年働けば無期雇用に転換できるようにした改正労働契約法について、国は昨年末、特例として研究職は10年に延ばすことを決めた。5年以内で雇い止めされる心配が減り、研究者たちはおおむね歓迎している。ただ、任期付きポストが減るとは限らず、研究者の不安定な身分は変わりそうにない。 ■不安定な身分、変わらず 昨年4月に施行された改正労働契約法は、雇用の安定化を進めるのが狙いだったが、多くの研究者は雇い止めを懸念した。国立大学や公的研究機関は、国から支給される人件費などの交付金が毎年減らされ、無期雇用の研究者を増やす余裕がないためだ。5年以内で雇用が打ち切られたり、契約更新が見送られたりすると考えられた。