北米で開催されたボナムス・アメリアアイランド・オークションに、珍しい軍用車が姿を見せた。 第二次世界大戦にドイツ軍は様々な軽軍用車を送り出している。今回出品された「NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート」は、不整地でも走り抜ける左右に無限軌道を備えるモーターサイクル。 NSU Sd. Kfz. 2型ケッテンクラート 2輪車と同様に前輪で操舵するもので、乗員は車体中央で操縦し、パッセンジャーは車体後端に後ろ向きに乗るレイアウトだった。泥濘地のほか冬のロシア戦線や砂漠の西部戦線などの厳しい条件下で本領を発揮した。 開発製造を担当したのは当時世界最大のモーターサイクル・メーカーで、戦後いち早くロータリー・エンジンを実用化し1969年にアウディの一員となったドイツの2・4輪メーカーのNSU。 エンジンは当時ドイツでポピュラーな存在だったオペル・オリンピア用の36HPを発揮するOHV水冷直列