ウルトラ怪獣の生みの親で、彫刻家の成田亨さん(1929~2002)が亡くなって今年で20年になる。鬼に関心を持ち、鬼退治伝説で有名な福知山市大江町を何度も訪れた。町内には、成田さんが造った鬼モニュメントが立ち、酒呑童子の里のシンボルとして今も輝きを放つ。 成田さんと大江とのかかわりを探った。 成田さんは兵庫県神戸市生まれ。すぐに青森県に移住し、54年に武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業した。この年に東宝映画「ゴジラ」にかかわるアルバイトをしたのがきっかけで、特撮番組「ウルトラQ」に登場する怪獣や宇宙人のデザインを手掛け、「ウルトラマン」の美術総監督を務めた。 晩年、日本のモンスターを描くことをテーマに活動する中で、鬼に興味を持ち、源頼光の鬼退治伝説が残る大江町に足を運んだ。 88年に日本のモンスターである鬼についての詳しい情報を得るため、旧大江町役場を訪れた際、鬼モニュメント建立の構