2022年02月21日 「土葬はダメ?」海外取材に憧れた私が大分でお墓にこだわる理由、それは一人のムスリムとの出会いだった 彼は我が子を乗せて、一心不乱に車を走らせていた。 自宅の福岡を出発したのは深夜遅く。かれこれ14時間以上運転し、ようやく目的地のある山梨県に入った。走行距離はすでに1000キロを超え、疲労も限界に近い。 だが、つてをたどってようやく見つけたのだ。一刻も早くたどり着かなければならない。 「これでやっと、お別れができるね」 運ばれたのは、新たに家族に加わるはずだった小さな命。せめて安らかに埋葬したい。ただそのささやかな行為までが遠かった。 「亡くなった家族や仲間を、安心して葬れる場所がない」 こうした事態に直面している人たちがいると、私が知ったのは4年前。海外特派員に憧れて記者になった当時24歳の私は、ある人との出会い以来ずっと今日まで「お墓」について考え続けている。 遠