「イデオン」のメカニック・デザイナー、樋口雄一さんが教える“敵をつくらず生きる自由放埓な創作人生”【アニメ業界ウォッチング第56回】 人に話すと広がっていく「平和のOS」のこれから 樋口 クライアントと交渉するのと、自分で描きたい絵を描くのとは、まったくストレスが違います。今の僕の描き方は、海外の漫画家に似てるのかもしれません。スウェーデンから来た漫画家で、オーサ・イェークストロムさんという女性がいるでしょ? 彼女がスウェーデン大使館でトークショーやるからいらっしゃいよ、と呼んでくれたので、聞きに行ったんです。スウェーデンの漫画は、日本みたいに「絵が下手でモノクロでもお話が伝わればいい」というものではなくて、ちゃんと色を塗って1枚の絵として納得するまで何か月も何年もかけるんですって。いま僕の描いている絵は、それに近いのかもしれない。 ── すると、ちばてつやさんに弟子入りしたかった頃と、い