拡大 車いすの人でも切符が買いやすいよう、足元に空間が確保された市営地下鉄の券売機=10月19日、福岡市・天神 40~50センチ、目線が下がっただけなのに。腰掛けて、後ろから押された途端、見慣れた光景が一変した。誰もが使いやすいユニバーサルデザインの街づくりを目指す福岡市などが企画した車いすの体験会「天神まち歩き」に参加した。障害者やお年寄りへの配慮を考えるとき、耳を傾け、頭で想像するだけでは到底、追い付かない。実体験こそ、バリアフリーの一歩であると思い知らされた。 左右のブレーキをしっかり掛ける。巻き込まれないよう、両足はフットサポート(足置き)にきちんと乗せる。土曜日の午前、雨上がりの天神地下街。「ちょっとでも傾斜があると危険。この2点に気をつければ、車いすの事故の半数は防げるのでは」。指導してくれたNPO法人「あすも特注旅行班」代表、大橋日出男さん(45)の言葉と手順を頭の中で繰り返