東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件の発生から14年余り。殺人罪などで死刑が確定していた加藤智大(ともひろ)死刑囚(39)への刑が26日、執行された。加藤死刑囚が公判で語ったことや自著から浮かんだのは、現実社会の中で自身の居場所を見いだせず、不満を募らせて暴発した孤独な青年の姿だった。事件は社会に何を問いかけたのか――。 2010年1月、東京地裁で開かれた初公判。法廷で17人の殺傷を認めた加藤死刑囚は「せめてもの償いはどうして今回の事件を起こしてしまったかを明らかにすること」と自戒するように語った。