物語の舞台は、正体不明の地球外生命体が襲来し、世界各国の主要都市を制圧してから9年後の2027年。市民は首にデータチップを埋め込まれて日常を監視され、体制支持派の富裕層と、反体制派の貧困層に二分されていた。劇中では、エイリアン=統治者の傀儡と化したシカゴ警察の特捜司令官・マリガン、レジスタンスのリーダーだった兄の行方を追う20歳の青年・ガブリエル、そして反撃の機会をうかがうレジスタンスたちの運命が交錯していく。 マッチを擦り、戦争を起こせ。抵抗する限りチャンスはある──。その言葉に突き動かされたレジスタンスを、どんな運命が待ち受けるのか? アーサー・C・クラークの小説「幼年期の終わり」をエスピオナージュもの(※1)として描くとこうなるのかという新鮮な驚きがありました。SFというより、「ブラック・サンデー」「スパイ・レジェンド」、あるいはジョン・ル・カレのスパイ小説の映画化作品のような気持ち