概要 大江健三郎がウルトラマンを始めとする怪獣映画・特撮番組について書いていることで有名な一篇。書かれたのは1973年、大江は当時38歳だった。 内容について 本文は4つの節に分かれる。 以下に段落ごとの内容を自分なりにメモ。 (1) 子供のための作品は大人の意識と想像力によって作られる。子供の想像力を解放するためには、大人の自立した想像力によって作品を作ることが必要である。しかし大人というのは子供の否定によって成り立っているので、事態は複雑になる。 子供向けの作品には、上に示したような《大人が作り・子供が見る》という二重性がある。この二重性に着目すると、子供向けの作品のほうが大人向けの作品よりかえって、現代の大人の想像力のあり方をはっきり示してくれる場合がある。 現在子どもの世界でもっともメジャーな「造られた世界」(ヴァーチャルな物語環境)とはなんだろう。それはテレビの怪獣映画、特撮番組