「すごく細いわよね~」、「あら、ちょっとやせたんじゃない?」。こんな言葉をかけられたら、「そんなことないわよ」と謙遜しつつも、つい頬が緩んでしまうかもしれない。これまで日本において「やせているね」は、「きれいだね」「努力したんだね」「健康的だね」を意味する、ほめ言葉だと捉えられてきた。 おデブさんとは呼ばれたくない、老けて見られたくない──年齢を問わず、ダイエットは昔から女性の永遠のテーマであり、メディアには数年前から流行している糖質制限のほか、「○○に置き換え」や「○○しか食べない」など、次から次へと新しいダイエット法が登場している。そして人々は皆、それをせっせと実践する。 やせている人ばかりがひたすら礼賛される世の中で、日本人の総摂取カロリーは、第二次世界大戦直後のそれを大きく下回っている。もちろん、食事の内容は当時から大きく変わっているため、一概に栄養不足だと言い切ることは難しい。し