■揺れる「危険運転致死傷罪」の判断 飲酒運転、車を制御できないほどのスピード違反、赤信号無視、といった極めて危険な運転によって引き起こされる重大事故。 「こうした事故は『過失』として裁かれるべきではない」 という被害者、遺族の怒りの声を受けて刑法の一部が改正され、「危険運転致死傷罪」が新設されたのは2001年のことです。 以降、危険な運転によって引き起こされた事故の刑罰は、従来の『業務上過失致死傷罪』よりも大幅に引き上げられ、人を負傷させた者は15年以下の懲役、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処することになりました。 しかし、「危険運転致死傷罪」の新設から20年以上たった今も、この罪で起訴するか否かの判断は大きく揺れています。 また、「危険運転致死傷罪」で起訴されても、その後の裁判で被告が無罪を主張するケース、また裁判の途中で訴因が変更され「過失」として判決が下されることも珍しくあり