北九州平和資料館に保管されている特高警察の調書=北九州市若松区で2020年2月27日午後2時31分、津島史人撮影 思想犯や反政府活動を取り締まった戦前の特別高等警察(特高)が取り調べた「中国共産党諜報(ちょうほう)団」事件の「訊問(じんもん)調書」が北九州市若松区の「北九州平和資料館」に保管されている。首謀者として逮捕された中西功(つとむ)氏(1910~73年)の取り調べ記録で、日米開戦前に中国側へ流された情報や、ゾルゲ事件で処刑された朝日新聞記者、尾崎秀実(ほつみ)(01~44年)とも情報交換していた事実が記されている。研究者は「調書全てがそろい、特高警察の具体的な手法も分かる非常に貴重な資料だ」と評価している。 戦後、共産党参院議員となった中西氏は上海の日系教育機関「東亜同文書院」在学中に共産主義運動に関わり、逮捕時は日本の国策会社「南満州鉄道」のシンクタンク「満鉄調査部」に所属。上海