おっと、何げにあれだ、同じ作者の別作品を取り上げるのは初めてだ。まあ意識的に避けてたんですけど。今回は神林長平、『魂の駆動体』です。『敵は海賊』と同じ作者ですね。 例によってざっとあらすじ。時は近未来。人々が意識だけの仮想空間“HIタンク”へと移住し始める中、老人ホームに住む初老の男性<私>は、その風潮に馴染めずにいた。そんな中、ひょんなことからクルマへの情熱と憧れを思い出した<私>は、友人の子安とともに完全オリジナルでクルマの設計図を作り始める……。 一方、人類がすでに滅びた遠い未来。翼をもつ翼人たちは、失われた人類の遺産を研究していた。研究者のひとりである、キリアは人類と人類の遺産を深く理解するため、特殊な装置を使って人間に姿を変えることを決意。パートナーである魂を持たない人造人間・アンドロギアとともに、発掘された設計図をもとにしてクルマを再現しようと試みるのだが……。 近未来、遠未来