極限まで己の肉体を鍛え上げた男たちによる、自転車という非常に身近な乗り物を使って行われるサイクルロードレースは、人間の常識では考えられないスピード・タフネス・テクニックが披露されます。 超一流のアスリートたちが演じるからこそ、成立するドラマがそこにあるのです。 映画『疾風スプリンター』は恐れ多くも、サイクルロードレースに生きるプロロードレーサーに焦点をあてた作品です。 こんなものが面白くなるはずがない。プロの俳優と言えども、所詮は本物のプロロードレーサーの足元にも及ばない体力・スキルの持ち主ですから。 これは完全なる地雷作品だと、そう思っていた時期がわたしにもありました。 劇場にて『疾風スプリンター』の鑑賞後は、わたしの中の本作への前評判は完全に覆されたどころか、我が人生におけるベスト3に入るほどの超名作であったことに、心の底から感動していました。 本作の感想を、ネタバレありで書いていきた