講演中の瀧本さん。7月23日に大阪市内で撮影 若かりしころの瀧本さん 「あの戦争」から73年。今年4月に総務省が発表した資料によると、戦後生まれが日本の総人口の82.8パーセントを占め、「平成」生まれも25.6パーセントと4分の1を超えた。 【若かりしころの瀧本さん】 「戦争を知らない世代」が増えつづけていくことは、本来ならば喜ばしいことに違いない。それだけ「平和」が続いてきたということでもあるからだ。 『96歳 元海軍兵の「遺言」』の著者であり、戦争体験の語り部活動を続けている大阪市の瀧本邦慶さん(96)は、1941(昭和16)年11月、千島列島の海にうかぶ航空母艦「飛龍」の中で20歳の誕生日をむかえた。そのまま約2週間後のハワイ・真珠湾攻撃に向かい、翌42年6月のミッドウェー海戦にも身を投じた。敗戦の知らせを聞いたのは、「餓死の5分前」まで追いつめられた南太平洋の小さな島でだった……。