友好国も独断で従わせる「米国第一」のトランプ大統領。それでも米国頼みの外交を続ける安倍首相。その現実を痛感させる日米首脳会談だった。 米フロリダ州で2日間を共に過ごした2人は、早朝ゴルフをするなど緊密ぶりを演出した。しかし北朝鮮と貿易の両方の問題で、認識のずれや対立点の広がりは隠せなかった。 急展開を見せている北朝鮮問題について、驚かされたのは、米朝間の接触の進展である。米中央情報局(CIA)のポンペオ長官がすでに極秘に訪朝し、金正恩(キムジョンウン)氏と会っていた。 米朝互いに「敬意」を交わしているとトランプ氏は明かし、「対話の時だ」と強調した。 「最大限の圧力」を連呼してきた安倍氏は「大統領の勇気」をたたえたが、対米追随に終始する苦渋の実態を露呈した。 性急な米朝会談の動きについては、米国内でも懸念の声が出ている。朝鮮半島問題に精通していないトランプ氏が拙速な判断を下さないか、対話から