日本時間の九日夕方、アメリカ大統領選挙でトランプの勝利が確実になった。この直後からさまざまな分析や見通しが語られたが、中でも興味深かったのが翌十日にBSフジ「プライムニュース」が放送した「脱“アメリカ属国”論」だった。出演者は保守思想家の西部邁(すすむ)と日本共産党の小池晃。一見すると立場が真逆に見える二人の見解は、ほとんどの点で一致していた。 二人が声をそろえて主張したのが、対米従属からの脱却と新自由主義への批判である。トランプは選挙中に、日本における駐留米軍の撤退をにおわせる発言を行ったが、二人はその方向性を歓迎する。もちろんTPPにも反対。アメリカのいびつな格差社会を問題視し、新自由主義やグローバリズムを批判する。 西部が顧問を務める『表現者』67号では、「日本共産党とは何ものか」という特集を組み、西部、小池、西田昌司(しょうじ)、富岡幸一郎による座談会「日本共産党に思想と政策を問う