特筆すべきクウェートの親日ぶり 広島平和文化センター理事長の小溝泰義(こみぞやすよし)氏は、外務省での最後のポストが駐クウェート大使だった。2010年8月から2年余の在任だったが、忘れがたい思い出がある。 赴任した夏の終わり、サバハ首長に信任状を奉呈した。ふつうは天皇、皇后からのメッセージを伝え、大使として自分の決意を表明して終わる、10分から15分の儀礼的なものだ。しかしサバハ首長は小溝氏が話し終わると、「湾岸戦争では本当に日本に感謝しています」と語りかけた。 1990年から91年にかけての湾岸危機・戦争では、日本は多国籍軍への協力として130億ドルを支援した。しかし戦争後にクウェートが米紙に載せた感謝広告に日本の名前がなかったことから、日本では「感謝されていない」と騒ぎになった。いまではこれはクウェート側の凡ミスだったことがほぼ明らかになっている。感謝広告は当時のクウェート駐米大使のイ