沖縄県の名護市辺野古の基地新設に反対する玉城デニー沖縄県知事が11日、米国へ渡った。9日に外国特派員協会で行われた会見では、改めて基地新設に反対する考えを明確にし、海外メディアからも注目を集めた。訪米について「米国で基地問題の理解を広めるチャンス」と報じられているが、早くも雲行きが怪しくなっているという。 玉城氏は今回の訪米で、米国防総省や国務省の高官との面会を希望し、調整を続けている。ところが、現地に赴いた今に至っても面会のメドはほとんど立っていない。“見切り発車”といえばそれまでだが、かなり異例だろう。そこで沖縄県関係者からはこんな話が漏れ始めた。安倍官邸や外務省の“横ヤリ”説だ。 声が上がるのは伏線がある。9月末の沖縄県知事選で自公が推薦した佐喜真淳氏は宜野湾市長だった5月に訪米した際、国防次官補や太平洋海兵隊司令官らと面会。3月に訪米した故翁長雄志前知事と比べて破格の対応だったから
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玉城デニー前衆院議員の大勝となった沖縄県知事選。その余波が世界中に広がっている。 玉城氏の父親が米海兵隊員だったということもあり、米国ではCNNやABCなど主要メディアで玉城氏の勝利が報じられた。特に米紙NYタイムズ(電子版)は9月30日、「アメリカ海兵隊の息子が基地に反対して沖縄知事選に勝利」と題して、日本で初めてハーフの県知事が誕生したと紹介。全米オープンテニスの女子シングルスで優勝した大坂なおみを引き合いに出しながら、「玉城氏の勝利は、日本で人種の多様性への扉が開かれつつあることを示唆している」とした。 さらに同紙は、オピニオン面でも沖縄の米軍基地問題を取り上げ、「日本で最も貧しい市民に、不公平で不必要で危険な負担を押し付けることはできない。安倍首相と米軍の司令官は公平な解決策を見いだすべきだ」と締めくくった。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)も1日、AP通信の記事を掲載し、選挙での
事務所開きで普天間飛行場の返還を日本政府に強く求めると訴え、気勢を上げる佐喜真淳氏(壇上左から2人目)=8月24日、那覇市内のホテル 「世界一危険と言われる飛行場をいつ返すんだ。日本政府が早く返してくれ」。8月24日、沖縄県那覇市内のホテルで開かれた佐喜真選対の事務所開きで、佐喜真淳氏は顔を紅潮させ、涙ながらに米軍普天間飛行場の早期返還を訴えた。会場からは割れんばかりの拍手が湧き起こった。しかし、翌日以降、佐喜真氏の普天間返還移設問題に対するトーンは抑え気味になり、終盤は「基地の整理縮小」という言葉に変わっていった。辺野古新基地反対を掲げている公明党への配慮もあったが、演説の内容を聞いた首相官邸が激怒し、基地問題を争点化しないよう強くくぎを刺した。 知事選は、普天間飛行場の名護市辺野古移設問題の是非が最大の争点となったが、翁長県政の継承を掲げ、新基地阻止を公約に掲げた玉城陣営とは打って変わ
投開票日の9月30日午後9時半すぎ、玉城デニーさん当選確実の報道を受け、歓喜に包まれる沖縄県那覇市の会館で、創価学会を象徴する青、黄、赤色の三色旗が揺れた。「ウチナーンチュのチムグクルが辺野古新基地建設反対の意思を再び示した」。野原善正さん(58)は、体いっぱいで喜びを表すかのように、旗を大きく振り続けた。 創価学会の三色旗を持って玉城デニーさんと肩を組む野原善正さん(左から2人目)=9月28日、那覇市 「学会員が集票マシンに…」 危機感 学会が支持する公明党は今回、辺野古新基地建設問題の賛否を明言せずに政府の支援を受ける佐喜真淳さんを推薦した。「学会員が集票マシンとして使われる。ウチナーンチュの魂を見せなければ」。危機感に駆り立てられた。 約15年前、布教を巡って組織と対立したことがあった。反逆者と言われ、職も失った。「本当につらかった。今回も正直、怖かった」と振り返る。今回、親戚からも
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