沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、防衛省が、工事の助言を受ける「技術検討会」に提出した強度データの資料を加工していたことが分かった。埋め立て予定地の海面下七十メートルより深い地盤は「非常に固い」と判断する際に用いたグラフから、強度の弱いデータを削除していた。建設推進に都合のいいデータだけを示し、お墨付きを得たとする防衛省の手法は批判を浴びそうだ。 (中沢誠) 防衛省は、強度の弱いデータを「異常値」とみなし、強度の検討対象から外していた。削除したデータも含めて検討すれば、地盤が「非常に固い」との判断は変わっていた可能性がある。辺野古工事を独自に検証している立石雅昭・新潟大名誉教授らの調査チームは、異常値とした判断自体を「恣意(しい)的」と指摘している。