「こんにちは、アツミ・ムナカタさんですね」 若い男だった。 メガネをかけていて神経質そうというか、ナードっぽいというか、あたしの中の記者のイメージとは違っていた。 あたしが頷くと、彼は向かいの席に座り、タブレットをテーブルに立てた。 タブレットにはツインテールで派手な髪の色の女の子のコンピューターグラフィックが写っていた。 さすがのあたしもコンピューターグラフィックの触らない女の子のお山には興味はない…… いや、なくもないが、この会話を録音するためなのだろうが、このようなアシスタントAIを表示させておく彼の記者らしくなさの方が気になってしまう。 彼は本当に記者なのだろうか。 「いきなり本題ですいません。宇宙世紀130年ごろに見たというモビルスーツの話を聞かせてもらえますか?」 もう40年近く前だ。 それでも、あたしにとってあれは忘れられない大切な思い出だ。 ただ、それはあたしにとって大切な