タグ

ブックマーク / pmazzarino.blog.fc2.com (7)

  • 就職率アップは誰のおかげ?反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。若い人たちのあいだで自民党支持率が高いのはアベノミクスによって就職率が上がったからだと、テレビで評論家っぽいおっさんがいってました。 へえ、そうなの? 私を大学教授と信じている一部のかたのご期待に沿えず申しわけないのですが、私は大学に勤務してないので、大学生の就職実態について知るよしもありません。個人的には、印税も原稿料もまったく上がらないので、アベノミクスによる景気上昇の恩恵をまったく受けてません。 というわけで、平成28年度文部科学白書を確認すると、221ページに大卒者(短大なども含む)の就職率推移グラフが載ってました。 グラフによると平成24年から就職率が回復傾向にあるようです――ん、ちょっと待てよ。これは前年度卒業生の最終結果を4月1日にまとめた数字ですよね。平成24年4月時点の日で政権の座にあったのは、民主党です。自民党が政権を奪還したの

  • ジャズファン目線からの日野事件反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。しつこいようですが、日野さんの暴行事件について、ここ数日ずっと考えてました。情緒ウィルスに冒された人々が歪んだ論理をばらまくことを、私は許せないので。事件そのものも不愉快ですが、世間の反応がもっと気持ち悪い。なんとかこの得体のしれない気持ち悪さの正体を暴きたい。私は思考をあきらめません。 今回は、ジャズファンとしての目線から、事件質と世間の反応の気持ち悪さについて考えました。 題の前に、松人志さんがテレビで、体罰はむかしは当たり前だったのに、いまはなぜありえないのかわからないといったことにお答えします。松さんは誤解してますが、むかしもいまも体罰は違法です。むかしは順法意識が薄い人が多かったので、平気でルールを破っていたというだけのこと。 明治以降、日の法律で体罰が認められたことは一度もありません。法治国家では原則的にすべての暴力は違法とさ

  • 経済学者の説明への違和感反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 獣医学部の開設は規制緩和だから正しいのだ、問題はない、とする経済学者たちの主張には、ものすごい違和感をおぼえます。彼らは論点をすり替えることで問題を無効化しようとしています。 どうやら彼らは、規制緩和の味方をする自分たちが進歩的な学者で、自分らを批判してる連中こそが既得権にしがみつく守旧派の悪者だと印象づけたいようです。まさにそこがヘンなんです。だって、獣医学部を作るな、なんて批判をしてる人はいないんですから。いや、獣医のなかにはいるのかもしれんけど、一般の人たちにはいませんよ。そもそも加計問題に批判的な一般人の大半は、規制緩和には賛成だと思いますよ。私も規制緩和には大賛成です。 じゃあ、なにを問題としてるのかというと、規制緩和を求められている数多くの候補のなかで、なぜ獣医学部が最優先で選ばれたのか。その理由を聞きたいのに説明してくれないから、みん

  • 勝手に自民党再生案反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。それにつけても都議選ですよ。私はそもそも、既得権の味方をして威張りくさってるオヤジ政治家が大嫌いなんで、そういう連中が何人か失業者になればいいなあ、とか思ってたら、これほどすがすがしいまでに一掃されるとはねえ。 ひとつあきらかになったのは、これまで報じられてきた自民や安倍政権の高い支持率は、浮動票によるものだったという事実です。公明や共産が少数のコアなファンによって支持されてることはわかってましたけど、自民のコアなファンもじつは少数にすぎなかったのです。 惨敗のあと、安倍さんは仏頂面してましたけど、器が小さいなあ。こういうときこそ、普段の国会答弁のときみたいにヘラヘラと笑いながら、「ちきしょう、アキバのオタクどもめ、裏切りやがったな!」とジョークを飛ばすくらいの余裕が欲しいところ。 ということで失意の安倍さんと自民幹部のみなさんに向けて、僭越ながら、

  • 意外に良心的なテレビ番組反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 以前、やらせ問題でケチがついた『水曜日のダウンタウン』。毎週見てるわけじゃないのですが、先週今週と見たかぎりでは、かなり良心的な番組に思えました。 良心的なところその1・仮説を検証してみる姿勢 先週の放送では、むかしのあだ名が容赦ないという説を検証してました。町でお年寄りたちに、こどものころに自分やともだちにヒドいあだ名がつけられてなかったかとたずねたところ、笑っちゃうくらいストレートに容貌や貧しさを攻撃するあだ名が出るわ出るわ。いまだからこそ笑えるけど、やっぱり人は傷ついてたはずですよ。そういうもんだと甘受していたのでしょうけど。 要は、むかしの人のほうが他人の気持ちに鈍感だったんです。むかしは道徳心が強かったなんてのは真っ赤なウソ。むかしのほうがヒドかったって事実を垣間見せてくれた興味深い検証でした。 この番組の基的な枠組みは、仮説が当か

    popup-desktop
    popup-desktop 2016/02/19
    検証にやたら手間と時間を掛ける「水曜日のダウンタウン」と検証されてない仮説をただ流すだけの「ホンマでっか!?TV」の対比。確かに凄く対照的。前者の人気が安定しだして後者が勢いを失っているのも面白い。
  • 何度でも言う。地域の絆と犯罪にはなんの関係もない反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 寝屋川の中学生殺人事件の容疑者逮捕を受けて、月曜以降、デタラメなコメントがテレビからあふれ出すと思うので、先制攻撃をしておきます。 さっそく、金曜夜の報道ステーションでやらかしてました。コメンテーターの藻谷さんは、かなりまともな人です。殺人事件の件数はずっと減少していて、いまはもっとも少ない時代だという事実をきちんと指摘してたところまでは、よし。 ただ、そのあと続けて、地域の絆が薄れているのではないか、犯罪を防ぐために、われわれはもっと地域の絆を大切にすべきだ、みたいなことをいうんです。 決定的に矛盾したことをいってるのに、ご自分で気づいてないのですね。むかしに比べて地域の絆が弱くなった。と同時に、犯罪はむかしより減っている。だとしたら、絆が弱まるほど犯罪は減るという結論になってしまいます。 報道関係者のみなさん、立ち読みでもけっこうです。私の『「

  • 原発と読売反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。今年は剛力彩芽に負けないくらい毒吐いちゃうぞ!(注・ネットで毒吐いてるのは剛力さんになりすましたニセモノです。) こないだは体罰を美化する社会病質者どもを取りあげました。今回のターゲットは、政権が変わって息を吹き返しつつある原発を礼賛する、自称現実主義者たちのヨタ話です。 社会現象の要因は複雑ですから、科学実験をやって原因と結果を結びつけるというわけにはいきません。でも社会現象を伝えるジャーナリズムには、「裏をとる」という作業を通して、記事の信憑性を高める努力が不可欠です。 私は読売新聞を購読しているのですが、昨年来、裏をとらずに決めつけ記事を書く安直な姿勢が目立ってきて、うんざりです。その怠慢が如実に結果となってあらわれたのが、例のiPS細胞に関する誤報だったわけですが、私にはあれの幕引きが済んだとは思えません。事実よりも社のトップが決めた思想を広

    popup-desktop
    popup-desktop 2013/01/24
    「原発をゼロにすると2030年に電気代がいまの2倍になるとされました。これでビビッた人も多いのですが、この試算には、原発を25%使い続けても、電気代はいまの1.7~1.8倍になるというオチがついてたのです。」
  • 1