現在のドラマ界を支える脚本家に贈られる賞として、1982年に制定された向田邦子賞。2018年10月から12月にかけて放送された日本テレビ系の水曜ドラマ「獣になれない私たち」は、本能のおもむくまま獣のように自由に生きられない大人たちの姿を描いたラブストーリーだ。新垣結衣と松田龍平がダブル主演を務めたほか、田中圭、黒木華、菊地凛子がキャストに名を連ねた。 今回の選考には、過去の受賞者である冨川元文、大石静、岡田惠和、井上由美子の4名が参加。授賞理由は「『人間は進化の過程で色々なものを失った……』という劇中のセリフに象徴されるように、笑顔の裏で心をすり減らして生きる主人公と、誰も信用していない公認会計士の男の、恋かもしれないラブストーリー。タイトルが意味する『獣になれない……』というメッセージでもある。現代人が抱えるこの思いを、大人テイストで面白く生き生きと描いている。作者のこれまでの作品に観ら