京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)のニホンザルが大量死した問題で、京大は11日、同研究所内で飼育しているカニクイザルから、サルレトロウイルス4型(SRV―4)という病原体が感染したのが原因とする調査結果を発表した。 SRV―4が人に感染する可能性は極めて低いという。 2001年からこれまでに、計50匹のニホンザルが極度の貧血状態で死亡。外部の専門家による第3者委員会(委員長=吉川泰弘・北里大教授)が今年7月に調査を始め、発症したサルの血液の遺伝子解析でSRV―4が検出された。 SRV―4は、東南アジアに生息するカニクイザルの間で自然感染している。カニクイザルは感染しても発症しないが、ニホンザルでは、傷口をふさぐ役割を持つ血小板が激減し死亡すると考えられる。同研究所はニホンザル770匹とカニクイザル30匹を飼育。研究や病気の治療のため、これらを以前に同室させたのが感染の原因らしい。