戦死者数についての客観的な統計はもともと成立が困難なものである。まず、戦争や紛争、ジェノサイドその他の大虐殺によって殺された者のうち戦死者をどこまで含めるかの定義の問題がある。また当事者の報告は、もともと記録が取られているか、逃亡・行方不明との区別、戦死者を多く見せたい、少なく見せたいという意向などによって影響されている。 ここでは、ウプサラ大学のオスロ国際平和研究機構(PRIO)*が取りまとめたデータベース、および世界銀行報告書(「世界銀行アトラス 人間の安全保障はどう守られているか 」)をもとに部族間抗争や虐殺を除く国家が関与した武力紛争の戦死者数の第2次世界大戦後の推移を図録にした。 *Uppsala University/International Peace Research Institute, Oslo (PRIO) 戦死者数には戦闘員だけでなく激しい交戦に巻き込まれて死亡し