広島大学は2024年度にスーパークリーンルームを刷新し、半導体の新研究拠点を整備する。23年には「せとうち半導体共創コンソーシアム」を開設。マイクロンメモリジャパン(広島県東広島市)などと連携し、産学官で次世代半導体の開発に取り組む。 【図解】SIC半導体の産業用途 同大ナノデバイス研究所の黒木伸一郎教授は炭化ケイ素(SiC)を使った半導体を長年研究する。SiCは新幹線や電気自動車への実装が進むパワー半導体の材料として注目されるが、黒木教授が目指すのは、シリコンの牙城である大規模集積回路(LSI)をSiCで作ることだ。 シリコンと異なり、SiCは高温下でデバイスを作製する必要があり、特殊な環境が必要。同大にはリソグラフィーからエッチング、薄膜形成などの各種装置群がそろう。「SiCデバイスの設計から試作、評価まで一貫して行える環境は国内の大学ではここしかない」(黒木教授)。 黒木教授 黒木教
米政府、ASMLに一部製品の対中出荷停止迫る-1月の期限前に Cagan Koc、Jennifer Jacobs オランダ半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングは、高性能の半導体製造装置の輸出禁止措置が発動される数週間前に、バイデン米政権からの要請を受け、一部装置の中国向け出荷を取りやめた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。 ASMLはオランダの新しい規制が完全に発効する1月まで、3種類の先端深紫外(DUV)露光装置を中国企業に出荷するライセンスを持っていた。しかし、米当局がASMLに接触し、中国顧客への一部装置の出荷を直ちに停止するよう要請したという。関係者は部外秘情報だとして匿名を条件に話した。 バイデン政権は独自の先端半導体産業の創出を目指す中国政府の取り組みを抑制すべく、同盟国と共に中国による輸入技術へのアクセスを妨げている。中国の華為技術(ファーウェイ)は昨年、AS
キヤノンのNIL技術、EUVの「対抗馬」になれるのか:当面はASMLの独走状態との予測も(1/2 ページ) キヤノンは2023年10月、ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を発売した。業界の専門家たちは、キヤノンの同装置がASMLのEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の“ライバル”となるのは、もっと先になるだろうとみている。 アナリストが米国EE Timesに語ったところによると、キヤノンが発売したナノインプリントリソグラフィ(NIL)半導体製造装置は、ASMLが世界最先端の半導体製造に向けてほぼ独占的に提供しているEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置に肩を並べるようになるまでには、何年もかかる見込みだという。 キヤノンは2023年10月、回路パターンが刻み込まれたマスクをウエハー上のレジストに押し付けて回路パターンを形成するNIL技術を用いた半導体製造装置「FPA-
中国が粒子加速器を活用した巨大な半導体工場の建設を計画していると、香港の英字新聞「South China Morning Post」が報じている。 それによると、中国の科学者らは、米国が音頭を取る対中半導体規制に対抗するため、EUVリソグラフィの光源となる巨大な粒子加速器を半導体工場内に設置することを検討しているという。具体的には、中国トップクラスの大学である清華大学の研究チームが河北省の雄安新区地方政府と粒子加速器による巨大半導体チップ工場建設用地の選定に向け活発な話し合いを進めているとのことで、1台の巨大な粒子加速器の周囲に複数のEUV露光装置を配置した工場を建設することにより、先端半導体チップの国産化、ならびに大量生産を実現しようという取り組みのようである。 研究チームが進めているのは定常状態マイクロバンチング(SSMB=Steady-state microbunching)と呼ばれ
6月11日から京都で開催されていた2023 Symposium on VLSI Technology and Circuitにおいて、インテルは基板裏面から電源を供給する配線方式「PowerVia」関連の内容を2つ発表した。 1つはT1-1の“E-Core implementation in Intel 4 with PowerVia(Backside Power) Technology”、もう1つがT6-1の“Intel PowerVia Technology: Backside Power Delivery for High Density and High-Performance Computing”である。どちらも似てはいるのだが、後者がPowerVia全体の発表で、前者はこれをIntel 4プロセスに移植した上で、E-coreに実装してみた結果を示したものである。 実はこの件に関
2020年にコロナの感染が世界に拡大し、コロナ特需が起きたことから、2021年から2022年にかけて、世界半導体市場も製造装置市場も急拡大した。その結果、2022年に半導体市場は5741億米ドル、装置市場は1076億米ドルと、いずれも過去最高を記録した(図1)。 しかし、2022年にコロナ特需が終わり、半導体不況の突入したため、ことし2023年には、半導体市場は約10%減少して5151億米ドルになり、装置市場も約15%減少して912億米ドルになると予測されている。この不況が回復すれば、来年2024年には、過去最高を記録した2022年の水準に戻るといわれていることから、今は我慢の時期と言えそうである。 さて、昨年2022年7月11日に寄稿した本コラム「実はシェアが急低下、危機の入り口に立つ日本の前工程装置産業」で、日本の前工程装置の世界シェアが2010年から2021年にかけて急激に低下してい
スウェーデンのリンショーピング大学とスウェーデン王立工科大学(KTH)の研究者が、木材を組み合わせることで継続的に動作可能なトランジスタを作ることに世界で初めて成功したと発表しました。 Electrical current modulation in wood electrochemical transistor | PNAS https://doi.org/10.1073/pnas.2218380120 The world’s first wood transistor - Linköping University https://liu.se/en/news-item/varldens-forsta-tratransistor トランジスタは電流を制御したり増幅したりする電子部品で、トランジスタを組み合わせることで論理回路を構築し、さまざまな計算を行うコンピューターを作ることができます
2023年3月22日に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、大谷翔平選手の投打に渡る大活躍などにより、日本は米国を下して優勝を飾った。前日に行われた準決勝のメキシコ戦のサヨナラ勝ちに続いて、手に汗握る決勝戦に(EE Times Japanの記事を書くのも忘れるほど→スミマセン)、狂喜乱舞した。 筆者は、3月10日から始まったWBCの日本戦をPCのAmazon Prime Videoで見ながら、もう1台のPCで仕事をしていた(全然仕事が手につかなかったが)。日本代表の栗山監督が「野球ってすごいな」とインタビューで答えていたが、本当にすごいものを見せてもらったと思った。 しかし、PCでWBCを見て「やったあ」などと叫んでいた反面、「このPC市場とそれに使われる半導体が大変なことになっているんだよな、それを記事にするんだよな」と憂鬱な思いに悩まされていた。 日本のWBC優勝に水
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)、および国立大学法人北海道大学(北海道札幌市、総長:寳金 清博、以下「北海道大学」)は共同で、中性子のもつエネルギーごとの半導体ソフトエラー※1発生率※2を今までは測定がされていなかった10 meV~1 MeVの低エネルギー領域において、"連続的な"データとして実測することに成功し、その全貌を世界で初めて明らかにしました(図1)。 現在の社会インフラを支える電子機器においては、宇宙線(太陽フレアや銀河から飛来する放射線)に起因する誤動作であるソフトエラーの対策が不可欠です。中性子エネルギーごとのソフトエラー発生率の解明は、その対策を行う上で最も重要なものです。今後は、この結果を活用しソフトエラー対策をさらに進展させることで、より安全・安心な社会インフラの実現が可能となります。 本成果は米国東部時間2023
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