「生まれつき弱視で、10歳になる頃には完全に視力を失いました。小さい頃もほとんど見えていなかったので、絵本や漫画を見た記憶はありません。『色』は、概念的に理解しているだけ」 そう語る白鳥さんが美術館を訪れる理由は、「楽しいから」。好んでよく見るジャンルは、「難しい」とも評される現代美術である。
日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師、シーボルトが持ち帰りオランダの博物館が所蔵していた絵画が、江戸時代を代表する浮世絵師、葛飾北斎が西洋の技法を使って描いたものである可能性が高いことが分かり、北斎を研究するうえで貴重な資料として注目されています。 これまで作者が分かっていませんでしたが、北斎研究で知られるライデン国立民族学博物館のマティ・フォラーシニア研究員などのチームが、シーボルトの子孫が所蔵していた目録と照らし合わせたところ、「北斎が我々のスタイルで描いたもの」という記述が見つかり、北斎の作品である可能性が高いことがわかりました。 6点のうち5点は、和紙に、日本橋や品川など江戸の町並みが、遠近法など、浮世絵とは異なる西洋の技法を使って水彩で描かれていて、北斎が西洋の技法を理解していたことを示す資料ではないかとして注目されています。 マティ・フォラーシニア研究員は「当初は西洋人が描いたも
_ グエルチーノを西洋美術館で見る 子供と上野に行ってグエルチーノを見る。誰だそれ? と聞いたら向うも知らないらしい。混んでるのかな? と聞いたら、有名じゃないから空いてるんじゃないかという。 で、行ってみたら、それなりに人は入ってはいるが、それでも美術館で美術を見られる程度に余裕の空き方だった。 で、チェントだのボローニャだの書いてはあるが、どういう文脈でこんな聞いたこともないやつの展覧会をしているのだろうと思って、冒頭のあいさつ文とか読んだら、自分の不明を知るばかりであった。 2012年にチェントで大地震があって、郷土の誇りのグエルチーノ(ここまで読んで、単なる田舎画家かと思ったが、それもあとで覆されることになる)の美術館が半壊して復旧の目処が立たないので、各地を巡業しているのだそうだ。西洋美術館にはゴリアテの首を持つダビデを所蔵している関係からも当然のようにグエルチーノ展を開催すると
2013.08.05 働き方 6月21日に開催されたカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルにて、テクノ・ポップグループPerfumeが日本人アーティストとして初のパフォーマンスを披露し、全世界に衝撃を与えた。 3人がまとう真っ白な衣装がスクリーンとなり、次々と色鮮やかなグラフィックが映し出される。プロジェクションマッピング技法を用いたそのグラフィックは、Perfumeのダンスに、衣装に合わせ、キメの細かい変化を見せた。 「パフォーマンスを袖で見ている時は、『頑張れ、頑張れ!』と祈るばかりでしたね」 そんな風に笑いながらカンヌを振り返るのは、Perfumeの演出やプロモーションを技術面でサポートするライゾマティクスの真鍋大度氏。真鍋氏は、2010年にPerfumeの東京ドームコンサートでの演出・映像制作をサポートして以来、『Perfume Official Global Website
メーヴェ(写真クレジット: 八谷和彦) 宮崎駿原作の漫画およびアニメ—ション映画「風の谷のナウシカ」。作中で、メーヴェとよばれるグライダーのような軽量飛行装置に乗る。主人公のナウシカはメーヴェを操り、自由自在に飛び回る。 このメーヴェを現実に作っている人がいる。メディアアーティストの八谷和彦さんだ。八谷さんといえば、ピンクのクマがメールを届けてくれるメールソフト「PostPet」を世に送り出した人物としてもよく知られる。 メーヴェに乗る八谷氏(写真クレジット: 米倉裕貴) その八谷さんが、なぜナウシカのメーヴェを作ろうと思ったのか。そのきっかけとなったのは、イラク戦争だった。 アメリカがイラクを侵攻したとき、日本がいとも簡単にこれを是認し追従したことに憤慨した八谷さん。「俺はナウシカにはなれないけれど、ナウシカみたいな人が現れた時に、生まれた時に乗るものを作ろう」と誓った。そして、Open
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English version 先日、北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)のイベントで、「色覚体験ルーム」というのを経験した。特殊な分光特性を持つライトに特殊な光学フィルタを被せたものを照明として使用しているその部屋の中では、一般型の色覚の人でも、P型(1型)やD型(2型)色覚の人と同様に色が見えてしまうのだ。つまり、特定の色の組合せにおいて、色の区別がつかなくなってしまう。こんなすごいものをよく作れたと思う。その部屋の中でいろいろなものを見たが、裸眼で色覚体験を行うのは、シミュレータを使ってディスプレイ上で見るのとはまた違った臨場感がある。貴重な体験だった。 部屋の中にフィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の絵のコピーがあった。その絵は、なんだか僕がいつも見ているゴッホと違って見えた。僕はゴッホの絵が大好きで、いろいろな美術館で実物を何点も見た
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