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人生と読み物と家族に関するcinefukのブックマーク (4)

  • パパと私|伊藤亜和

    パパと会わなくなって7年経った。 死んでしまったわけではない。パパは私が住む家から歩いて1分ほどの場所に住んでいる。でも会わない。 喧嘩をしたからだ。 私が18になったとき、私とパパは警察が来るほどの大喧嘩をして、それ以来いちども顔を合わせていない。 私のパパはセネガル人だ。アフリカの西の、イスラムの国の人間だ。 私の名には苗字がふたつ付いていて(戸籍上片方の苗字は名前扱いになっているけど)、パパの家系の苗字はセネガルの由緒ある聖人の家系の印として付けられているらしい。 パパが言ったことなので当かは分からない。でも実際、時々知らないセネガル人から「ごきげんようプリンセス」とメッセージが届く。くるしゅうないぞ。 今でこそ横浜の片田舎で祖母の作った鯛のあら汁を啜るどこにでもいるプリンセスこと私だが、パパと暮らしていた幼いころの家の様子はやはり他とは異なるものだった。 壁いっぱいに飾られた教

    パパと私|伊藤亜和
    cinefuk
    cinefuk 2023/06/19
    "私も今まで出したことないような大声で暴言を叫び散らした。私はパパの子だ。殴られながらドーパミンが出て笑いが止まらない自分が怖かった。地面に押し付けられて首を絞められて、ワクワクが抑えられなくなって"
  • そして猫を看取った

    https://anond.hatelabo.jp/20221123155759 家で看取ると決め帰宅させた夜はカタールワールドカップ日本代表初戦だった。サッカー中継と天気予報と「ダーウィンが来た!」が好きでいつもい入るように見つめるだったが、ソファの下でコの字のまま横たわる彼女の視線の先に日本代表が映っているのか定かではなかった。 目の大きなだった。晴れた午後に窓の外をじっと眺める澄んだ水晶体は、何かを見ているというより、宇宙全体を感じ取っているかのようだった。哲学者のそれというより、哲学そのものだった。 ベッドにつくのを察知するとどこからともなく現れてお腹の上に乗ってきた。薄明かりの中、目尻の少しつり上がったその目いっぱいに黒目を広げる彼女の顔は、紛れもなくあの宇宙人の顔だった。「宇宙で一番かわいい宇宙人だね」そう言って抱きしめると首のモーターがブンブン駆動した。 具合が悪くなる

    そして猫を看取った
    cinefuk
    cinefuk 2022/12/01
    "彼女を抱き上げだらりと垂れる頭をこちらに向けると、大きな黒目の中にもう彼女はいないことが、驚くほどはっきりとわかった。亡骸というよりは抜け殻だった。何かに向かっていこうとする、毅然とした顔つきのまま"
  • おばあちゃん死んでくれ

    頼むからおばあちゃん死んでくれ。 死んでくれたら、おばあちゃんの住んでた部屋が空く。 そしたらそこに私が行ける。きっとおばあちゃんより広く有効に使える。 死んでくれたら良いことしかない。 おばあちゃんが居なくなること。 それはとっても良いことだ。 おばあちゃんはアル中で酔っ払って毎日リビングにやってきて暴言を吐きにくる。 殴られたことは今までないけど、言葉で沢山殴られてきたので、とっても殴り返したい。 物理的な暴力振るわれないだけ、むっちゃ運がいい家だけど。 アル中とかって、普通それはおじいちゃんとかの役目だとか思うかもしれないけど、うちではおばあちゃんだ。 おばあちゃんの言葉の暴力で毎日お母さんは泣いていて、私が幼稚園児の頃からずっとお母さんを慰めてきた。慰めてきたって、言い方は変かもしれない。 なぜならおばあちゃんの言葉は 「孫(私)はどうして勉強も何も出来ないの?それは母親のせいじゃ

    おばあちゃん死んでくれ
    cinefuk
    cinefuk 2022/07/04
    アルコール依存症と老人性痴呆、二代にわたるドメスティックバイオレンス。大嫌いだけど優しかった思い出。物理的な距離をおいてたまに会うくらいなら許せる事も、常に顔を合わせるとそうできない事もある。苦しいね
  • 松尾諭「拾われた男」 #26「全米公開された出演作がきっかけで飛んできた突然の報せ」 | 文春オンライン

    cinefuk
    cinefuk 2019/09/09
    あまり仲が良くない年の離れた兄について思う事、こじれた家族関係。どうしても兄の立場で読んでしまう。読ませるエッセイ
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