創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊 【創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊】創作の本質を問う、第5回トーチ漫画賞大賞作。
第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ
NPO法人日本語検定委員会による第14回「日本語大賞」(読売新聞社など協賛)の入選作のうち、小学生、中学生、高校生、一般各部の文部科学大臣賞受賞作品の全文を紹介します。今回のテーマは「私が大事にしている言葉」。家族の死や人生の様々な時に浮かんだ言葉の中で、自分が「大事にしている言葉」について書いた作品を募集しました。※敬称略 ■小学生の部 「大好き」のま法をかけて 安田 彩乃(やすだ・あやの) 敬愛小学校 小学四年(山口県) 私には大切なものがたくさんある。おたん生日に買ってもらったシロクマのぬいぐるみ。いつも遊んでくれる、おとなりのお姉ちゃん。食いしんぼうの父が買って来てくれる、新発売のおやつ。ケンカをした後の、兄との仲直り。私はいつもこれらの「大切」にふれるたび、心の中でじゅ文を唱える。それは、「大好きだよ。」の言葉だ。この言葉を使うと、私の気分はそれまでの何倍もうんと明るくなる。この
2022年11月29日、宮台真司氏が暴漢に襲われた。彼が教授を務める東京都立大学のキャンパス内で何者かに背後から頭を殴られ、刃物で首や背中や腕などを斬られて、救急搬送された。犯人の男は逃走し、警察が行方を追っている。そのニュースは大きな衝撃をもたらした。 宮台氏は、30年来の私の友人である。愕然とした。身が震え、その夜は眠れなかった。 宮台氏は重傷だが、命は助かった。数時間もの大手術を受け、何十針も縫ったという。心配でたまらない。どんな痛い、辛い、恐ろしい思いをしているだろう……。 12月3日、お昼のこと。突如、宮台さんからメールが届いた。えっ! 目を疑った。襲われてまだ4日だ。全治1か月の重傷で入院しているはずなのに……。 実は、今回の事件の前に宮台さんにメールを送っていた。2023年2月に私の新著が出る。寺山修司が今も生きていて、80歳代半ばで、アイドルグループをプロデュースする。その
訃報はいつだって突然だ。著名人が亡くなると、生放送中のスタジオに報道の人間が原稿をもって駆け込んでくる。速報は一刻も早く放送するのが鉄則だが、そこに記された名前に驚き、思わず足が止まってしまうことがある。訃報にあらかじめ心の準備をしておくことなんてできない。誰かの死に慣れることはこの先もきっとないだろう。 山本文緒さんが亡くなったという報せも突然だった。 2021年10月13日、膵臓がんのため死去。58歳だった。 山本さんは前年、7年ぶりとなる長編小説『自転しながら公転する』を発表したばかりだった。地方のショッピングモールで働く32歳の女性を主人公にした同作はまぎれもない傑作だった。 NHKの『朝イチ』だったと思うが、軽井沢のご自宅で、キツツキが家の外壁に開けた穴をリポーターに見せたりしながらインタビューに答えていたのをおぼえている。その時の楽しそうな表情がとりわけ印象に残っているのは、山
本の感想に自分の変化があらわれるの、とてもよくわかる。そのとき抱えている問題や焦っていることが感想に出たりしがち。
Published 2022/04/11 19:26 (JST) Updated 2022/04/11 19:33 (JST) 昨年4月に死去したジャーナリストで評論家の立花隆さんの5万冊を超える蔵書が、立花さんの遺志で古書店に譲渡されたことが11日分かった。妹で秘書だった菊入直代さん(77)に「『立花隆が持っていた本が欲しい人』でなく、本の内容そのものに興味がある人の手に渡るようにしてほしい」と言い残していた。 自身の名を冠した「文庫や記念館などの設立は絶対にしてほしくない」と厳命していたという。 「ネコビル」と呼ばれた東京都文京区の事務所は部屋と階段の壁面にびっしりと書棚が並んでいた。さらに周辺や大学に部屋を借り、書籍を保管していたこともあったという。
下読み中。すごもり生活の反映なのか、作者の私生活をそのまま描いたものが散見される。でもね、あなたがよほどの有名人ではない限り、私生活は平凡で退屈な題材なのです。日常をそのまま書いておもしろい作品は存在するが、それは文章が素晴らしいから。文章の天才でないのなら物語性で工夫しないと。
少しでもいい影響が広がりますようにと願いを込めて描きました。もし、読んでよかったよと思ってくださるかたがいたら、リツイートしていただけると喜びます。 #統合失調症 https://t.co/79lhahr7Pv
少し前にインターネットを騒がせていた言葉に「キモくて金のないおっさん」というものがあります。これは社会的弱者であるが権利運動とか救済の対象として想定されていない男性を指す俗語です。 このおっさんたちはどうやら非常に社会的、経済的に苦しい状況に置かれている一方で、マイノリティとして見えづらいため女性とか少数民族、セクシュアルマイノリティ、障害者などに比べると自己主張しづらい状況に置かれているそうです。「キモくて金のないおっさん」については、こうした不可視化、つまり存在が認識されていないことが問題だと考えている人が多いようです。 しかしながら、私の見るところ、文学史上にはあまたのキモくて金のないおっさんが登場します。そこで今回は私が個人的にキモくて金のないおっさん文学の名作だと思っている、ジョン・スタインベックの『二十日鼠と人間』と、アントン・チェーホフ『ワーニャ伯父さん』をとりあげ、古典がど
2016年に東大生5人が起こした強制わいせつ事件をモチーフにした小説『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ/文藝春秋)は、実に473ページにも及ぶ長編作品だ。 一人の女子大学生に大量の酒を飲ませ、マンションの一室に連れ込んで暴行を加えたこの事件は、2003年に集団強姦事件を起こした早稲田大学のサークル「スーパーフリー」を想起させるものでもあったし、また同時期に慶應大学や千葉大医学部の学生が相次いで同様の事件を起こしたこともあって、当時大きな話題となった。 どれも「酒を飲ませて暴行を加える」という点では共通している。しかし、他の事件がセックスを目的としていたのに対し、東大生の起こした一件で性行為そのものは行われていない。彼らがしたこと、それは「女子大学生を集団でいたぶり、おもちゃのように扱って盛り上がる」という行為だった。
『シン・ゴジラ』を監督した庵野秀明は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物の名(トウジとケンスケ)を村上龍の『愛と幻想のファシズム』から拝借し、『ラブ&ポップ』を実写映画化したことがある。 そして庵野秀明監督の最新作『シン・ゴジラ』は村上龍以上に、2000年代以降の村上龍の問題意識を体現した作品だった。そして描かれるべき「震災後文学」をついに世に投じた作品でもあった。 どういうことだろうか? それを捉えるために、まずは村上龍の辿った道を見ていこう。 ■サラリーマンになれない 「おまえはぜったいにサラリーマンになれない」 村上龍は幼少期から親や教師たち(両親も教師である)にくりかえし、そう言われてそだった。 彼は集団作業にむいておらず、他人の指示に従うということを嫌った。 だからはじめ、医者になろうと思った。自営業者として開業医になれば、組織の論理をふりかざす「上司」のような人間にした
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