ロシア革命後に雨後の筍のように成立した社会主義政権 二月革命によりロマノフ王朝が崩壊し、内乱を経てボリシェヴィキによる政権が成立するまで、ロシア国内とその周辺国では、数多くの政権が成立しました。ボリシェヴィキ系、メンシェヴィキ系、民主主義勢力、少数民族系、傀儡政権などさまざまな勢力がありました。社会主義政権というだけでもさまざまありまして、今回は革命後に成立したいくつかの特徴ある社会主義政権を見ていきたいと思います。 1.水兵・建設労働者ソビエト共和国(1917年~1918年) Work by FugeeCamp 3か月間存在したエストニアのロシア水兵の政権 水兵・建設労働者ソビエト共和国は1917年12月から1918年2月までの短い間に、現在のエストニア・ナルゲン島にあったソビエト共和国です。 ドイツとソ連との間に結ばれたブレスト=リトフスク条約によって、ロシアはバルト諸国を含む多くの地
ソクーロフが昭和天皇裕仁を描いた『太陽』については、TBSラジオの「ストリーム!」ではだいぶ前にもう話したけれど、ロシアのサンクトペテルブルク映画祭でグランプリを獲ったので、とりあえずブログに感想を残しておこう。 これはヒトラーを描いた『モレク神』、レーニンを描いた『牡牛座』に続いて、第二次大戦時の世界の指導者を描く三部作の三作目。『太陽』という題名は昭和天皇が太陽神、天照大神の子孫であることを意味している。 映画は1945年、有名な終戦を決めた御前会議の直前から始まる。 地下の防空壕で、食事をする昭和天皇(イッセー尾形)。画面はいつものソクーロフ作品と同様に古い写真のように退色し、夢の中のようにもやがかかっている(特殊なフィルターを使っているらしい)。音楽もほとんどなく、衣擦れの音までが聞こえるように静か。カメラは食事の行程や、ちょっとした所作をじっくりと静かに写していく。 天皇は、侍従
シリア、イラク、ウクライナではすでに民生ドローンの軍事転用が盛んに展開されている。ウクライナの世界最大の弾薬庫がドローンによって爆破され、米国の戦略家たちの間で議論が起きたことは、本コラムでお伝えしたとおりだ。 (参考)「自衛隊はドローン1機の攻撃を防げない」 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50754 さらにここにきて、人類史上初の自家製ドローンによる集団攻撃が実施され、大きな衝撃となって報じられている。今回は、その概要と意味について論じてみたい。まずは、その概略を見てみよう。 手作りドローン集団がロシア空軍基地を襲撃 1月5日、13機のドローンがシリアに展開するロシア軍を襲撃した。10機がフメイミム空軍基地へ、3機がタルトゥース海軍基地に向かい、攻撃を敢行した。これらは固定翼タイプの無人機であり、10発の爆弾を抱えていた。 ロシア国防総省の公式
コムナルカの特徴の一つである物干ロープ。=Max Sher from the book «East»/Anzenberger/FOTODOM.RU 共同住宅「コムナルカ」では、赤の他人が一つの大家族のように共同生活を送り、そこから何世代もの特異なソ連人――連邦崩壊後はロシア人――を生み出してきた。人目を気にせず大っぴらに生活する習慣、権利と義務を平均化したがる志向、密告、無私の助け合いの精神などがコムナルカで養われた。 共同住宅はユニークなロシア的現象だ。現れたのは1917年の社会主義革命後。あらゆる住宅が共有の資産となり、政府が裕福な都市住民のアパートに同居人を押し込み出したのが発端だ。 1920年代の破壊と荒廃の時代には、人々は、何とか食べ物にありつき生き延びるために、大都市に流入した。彼らは工場や企業、役所などに職を得ると、コムナルカの部屋をもらうことができた。面積でいうと、大人一人
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