2021.01.30 08:00 自民党保守派にとって「選択的夫婦別姓」は姓氏だけの問題ではない 議論を後退させた背景にある“国家観” 1941年に刊行された女性向け啓蒙書『新体制下 女性教養日記』(伊藤きみ子著、日本教育会)では、次のように平易に解説されている。 我が国は古来、家を国家社会の単位とし、その生活は家族全体を本位とします。単に現在の家族のみならず、遠き祖先に始まり、子孫によって継続せられる永続的団体が、我が家であります。そして、一家は戸主たる家長によって統一され、代表されてゐます。従つて、家長はその家系を承け継ぎ、家計を保有し、子女を教養し、祖先の祭祀を絶やさないことを以て最大の義務とし、各家族は家のために働き、家を中心として生活してゐます。かくて各人は個人として国家の構成分子たると同時に、家を通じて国家社会を組立ててゐるのです。 (中略) 我が国民は遠く祖先を遡れば、皆同一